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年末が近づくと、その年に親族に不幸があった場合、年賀状を出してよいのかどうか迷ってしまう方も少なくないでしょう。喪中はがきのマナーは確立されていないため、絶対にこうしなくてはいけないといった決まりはありません。しかし、一般的なマナーを守るなら、喪中の範囲次第で新年の挨拶を控えた方がよいでしょう。ここでは、忙しいなかでも迷わず喪中はがきを送れるよう、基本的なマナーをご紹介します。
年賀状は出し慣れていても、喪中はがきはそう毎年出すものではないため、どのように対応すればよいかわからなくなるものです。中でも一番難しいのは、どこまでの続柄が喪中になるのかということです。故人を悼む気持ちは続柄に関係ありませんが、一般的に喪中とされる続柄や親等は決まっているので確認しておきましょう。
親等については普段あまり意識しないので、よくわからないという方も多いようです。また、結婚をしている場合は親等を勘違いしてしまうこともあるので、自分を基準にして今一度確認をしておきましょう。
1親等は自分の子ども、自分と配偶者の父母、子どもの配偶者です。
2親等は、自分と配偶者の祖父母、自分と配偶者の兄弟姉妹、自分の兄弟姉妹の配偶者、自分の孫とその配偶者です。
3親等は自分と配偶者の曾祖父母、自分と配偶者の叔父叔母、自分の叔父叔母の配偶者、自分と配偶者の甥姪、自分の甥姪の配偶者、従兄弟は4親等です。この1親等から4親等までが、基本的に「親族」といわれる範囲です。
喪中の期間は、続柄によって異なります。まず、1親等となる自分の父母、結婚している場合は義父母の喪中期間は12ヵ月から13ヵ月、自分の子どもは3ヵ月から12ヵ月とされています。
2親等である兄弟姉妹は1ヵ月から6ヵ月、自分の祖父母、配偶者の祖父母は1ヵ月から6ヵ月とされています。曾祖父母と叔父叔母、甥姪は3親等にあたるため喪中期間はありません。
喪中期間に数ヵ月の差があるのは、故人との付き合いによっても喪中期間が変わるからです。たとえば2親等の祖父母の場合、住んでいるところが遠く離れていてほとんど会ったことがないということもあるでしょう。ほぼ面識がない故人に対し6ヵ月も喪に服すというのは現実的ではありません。最近は別居しているというだけで喪中にしない場合もあり、各家庭で喪に服す期間の尺度は異なります。
また、自分の子どもは3ヵ月から12ヵ月となっていますが、配偶者と子どもに関しては決まった喪中期間はないというのが一般的な考え方となっているようです。ただし、この期間というのはあくまでも一般的な基準でしかありません。故人を悼む気持ちに期間はありませんし、故人との関係性や親密度によっても悲しみの深さは違います。
ここで基準となっている喪に服す期間は、あくまでも喪中に控えなくてはいけないことや、喪中にやらなくてはいけないことをするための期間の目安でしかないのです。
喪中期間の目安が決まっているのは2親等までで、3親等と4親等は特に喪中期間はありません。そのため、喪中はがきを出す親等の範囲は2親等までというのが一般的です。
つまり、配偶者と父母、義父母、子ども(子どもの配偶者)、祖父母、兄弟姉妹、孫に不幸があった場合は喪中はがきを出します。ただし、これはあくまでも一般的な基準であり、必ず喪中はがきを出さなくてはいけないということではありません。
前述したように、疎遠になっていた祖父母や交流のない兄弟姉妹など、喪に服さない場合は出さなくても大丈夫です。逆に、頻繁に交流がある従兄弟や叔父叔母、孫のように可愛がっていた姪っ子や甥っ子であれば、親等に関わらず喪中とする人もいます。
喪に服すというのは、ある程度決まりはあるものの、本来は自分の気持ちで行うことです。もちろん親族というくくりはありますが、何親等であっても、自分の身内が亡くなり深い悲しみの中で新年を祝う気持ちに憂いがあるのであれば、喪中はがきを出してもおかしくはありません。
喪中はがきを出す風習は比較的新しいので、確立されたマナーはありませんが、それでも最低限のマナーは決まっています。冠婚葬祭のマナーが大事なように、喪中はがきのマナーを守ることは大人の常識でもありますから、初めて喪中はがきを出す方はもちろん、出したことがある方も、改めて喪中はがきのマナーをチェックしておきましょう。
喪中はがきは「身内に不幸があったため、新年のご挨拶は控えさせていただきます」という意味で、年賀状のやりとりはできないという旨を伝えるために送るものです。そのため、いつも年賀状をやりとりしている方に迷惑がかからないように、年賀状の準備を始める11月の中旬から12月の初旬までに届くようにするのが基本です
年賀状の受け付けは通常12月15日から始まるので、喪中はがきを送るのが遅いとすでに投函されてしまうかもしれません。そうなると相手の方にもご迷惑をかけてしまうので、最低でも12月初旬まで、できれば年賀状作成をする前に届くよう11月中旬に送るのが理想的です。
喪中はがきは、そのネーミングから自分の親族に不幸があったことを知らせるためのはがきというイメージがあるかもしれません。しかし、喪中はがきの正式名称は年賀欠礼状といって、新年を喜ぶ挨拶となる年賀状は喪中なので送れないことをお詫びする、という趣旨のはがきです。つまり、喪中をお知らせするのではなく年賀状を送れないことをお知らせするものなので、葬儀に参列していただいた人にもきちんと送るのが礼儀です。
葬儀に来て訃報を知っているのだから送らない、というのは年賀状を送らないことと同じですので、普段年賀状をやりとりしている方に対しては失礼なことにあたってしまいます。
喪中はがきを送る範囲は、送る相手と故人との関係や、疎遠になっているかどうかなどで決まりますが、基本となるのは年賀状のやりとりをしている人です。
喪中はがきは「喪中であること」をお知らせするものと思い、住所録に載っている人全員に送るという方もいるようです。しかし、喪中はがきは新年の挨拶を欠礼することをお知らせするものです。つまり「今年は喪中なので年賀状は送れない」というのを相手に伝えるためのはがきなので、普段年賀状をやりとりしていない人には出す必要はありません。
喪中はがきは誰に出してもよいというものではないのですが、故人がお世話になっていた、訃報を知らせるべき人がいるのであれば喪中はがきを出しても問題ありません。
大切な人、関係の深かった人が亡くなったとき、お通夜やお葬式、四十九日の法事、遺品の整理、必要があれば喪中はがきの準備など、親族にはやらなくてはいけないことがたくさんあります。しかし、喪中のマナーよりも大切なのは故人を悼む心です。だからこそ、喪中はがきなど早めに手配できることは済ませてしまい、ゆっくりと故人との優しい思い出を偲ぶ時間を確保してください。
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